真夜中の弥次さん喜多さん


最高に面白かった!長瀬イカス!
七之助もすごく良かった。あの喜多さんは七之助しかいない!という
素晴らしい演技で、さすが歌舞伎役者と思わせられる身のこなしやセリフ回しが
随所にあり、本当に見直しました。
何より、ヤジさんがほんとにキタさんを熱愛してるという感じがちゃんとあって、
笑いながらも切なく、ところどころでほろりとしてしまった。以下ちょっとネタバレ、反転↓
弥次さんの、奥さんに対するあの態度だけはちょっとひどいと思うけど…。
今でも愛してるって、そんなひどい。ならなんで捨てていくんだよ。
あのままあそこで泣かせておくのかー!と。

でも、愛はエゴイズムでもあるという残酷な一面を、あるいは見せてくれたのかも。
そしてあれは、仏の世界だから…
全てを許し、受け入れること、それが愛なのだと。
あの、弥次さんが喜多さんにはえたキノコを食べるシーンもそうですが、
相手のなかの異様なもの、醜いもの、受け入れがたいものもすべて受け入れること。
他人を、そして何より自分を愛すること、許すことができたとき、人は幸せになれるんですね。
それがあの映画のひとつのテーマであったような気がするんです。


最初、終わり方がちょっと唐突にも思えて、なんだ、お伊勢に着くところまでいかないのか?
と思ったんですが、もうあの二人は伊勢にいく必要がないんですね。
弥次さんが奥さんに許され、喜多さんが自分を許して、受け入れたとき、
『弥次さんがおいらのお伊勢さんだぁ』と言った時、二人はゴールに入ったわけです。

ああもう一回見たいなぁ。